ビタミンC(アスコルビン酸)の働きや効果、摂取目安量

健康を科学する

栄養素には大きく分けてエネルギーになるものとならないものが存在します。
エネルギーになる栄養素と言えばタンパク質、脂質、炭水化物でしょう。
これらの栄養素は身体の活動に欠かせないもので、タンパク質は筋肉をつくり、脂質や炭水化物は重要なエネルギー源となります。

そして、エネルギーにならない栄養素がビタミン・ミネラルです。
これらは直接筋肉になったりエネルギーとして使われたりすることはありませんが、人が健全に成長し、健康的に生活する上で必要不可欠な存在となります。
つまり、ビタミンは他の栄養素がうまく働くために機械の潤滑油のように働いているのです。
ビタミンの必要摂取量はとても少ないのですが、意識して摂らないと不足しやすい栄養素でもあります。
またビタミンは体の中でほとんどつくることができないため、しっかり食べ物から摂らなければなりません。

そこで今回は、ビタミンC(アスコルビン酸)の効果やどれくらい摂取すればいいか、また多く含まれている食品をご紹介していきます。

ビタミンC(アスコルビン酸)について

ビタミンCの基礎知識

ビタミンCは水に溶けやすい性質を持つ水溶性ビタミンです。

ビタミンには水に溶ける水溶性ビタミンと油脂に溶ける脂溶性ビタミンがあり、ビタミンCは水溶性ビタミンに該当します。水溶性ビタミンは尿などから体の外へ排出されやすく、体内に長時間とどめておくことが出来ないため、頻繁に摂取する必要があります。

ビタミンCの化学名は、アスコルビン酸で、生体内では通常還元型の L-アスコルビン酸または酸化型の L-デヒドロアスコルビン酸の形で存在しています。

ビタミンCはアスコルビン酸という化学名があり、ヒトの体内ではL-アスコルビン酸(通常還元型)やL-デヒドロアスコルビン酸(酸化型)という形で存在しています。
今から数百年前、16~18世紀にかけての大航海時代に船員の間で流行した壊血病を予防する成分として、オレンジの果汁から発見されました。

哺乳類は通常、体内でビタミンCをブドウ糖から合成することが出来ます。
しかし、人間やモルモットなど一部の動物は合成に必要な酵素を持っておらず、体内で合成することが出来ないため食事からビタミンCを摂取する必要があります。

体内での吸収率は90%と非常に高く、消化管で吸収されて血中に速やかに送られます。
体内のビタミンCレベルは、消化管からの吸収率の高さや体内での再利用、また腎臓からの排泄によって上手く調整されています。

ビタミンCは酸味があり、白い結晶の姿をしています。
水に良く溶けますが、エタノールには溶けにくく、結晶の状態では安定していますが濃度の薄い液体の中では不安定になります。

ビタミンCは調理による損失が激しいことで知られています。
水で洗い流したり加熱したりすることによってビタミンCの効力が失われてしまうため、調理法には工夫が必要です。

ビタミンCの効果・働き

ビタミンCの主な効果として以下が挙げられます。

・コラーゲンの生成
・皮膚や粘膜の健康維持
・動脈硬化や心疾患、老化の予防(抗酸化作用)
・病気やストレスへの抵抗力の強化
・鉄の吸収を良くする
・活性酸素の除去

ビタミンCは骨や腱など、体の細胞と細胞を繋ぐ結合タンパク質(コラーゲン)を生成するのに不可欠な栄養素です。
コラーゲンが生成されることにより、皮膚や粘膜などの健康維持に貢献します。

さらに大きな働きとして抗酸化作用があります。
ビタミンCは抗酸化物質として活性酸素から身体を守り、さまざまな生活習慣病を予防してくれます。

抗酸化作用とは
人の体は酸素を利用してエネルギーを作り出しています。
しかしこの酸素を利用する際に、活性酸素も同時に体内で生成されてしまいます。
活性酸素は体内の細胞を傷つけ、老化やガン、しわ、シミ、糖尿病、動脈硬化、脂質異常症などの生活習慣病の原因となっています。
活性酸素は年齢とともに増えていきますが、ストレスや食品添加物の過剰摂取、タバコ、激しい運動、飲酒、紫外線などでも増加します。
人体に様々な被害を及ぼすこの活性酸素ですが、体内で増えたこの活性酸素を除去していくことで人体が酸化していくのを抑える働きを「抗酸化」といいます。
悪の元凶であるこの活性酸素は、体内の酵素によって分解することが出来ます。
しかし活性酸素の量が多すぎると酵素による分解が間に合わず、体がダメージを受けます。
そこで、酵素以外にも活性酸素と戦ってくれるのが抗酸化物質です。
ビタミンCは抗酸化物質となって、酵素とともに体内の活性酸素を分解してくれるのです。

他にも病気など様々なストレスへの抵抗力を高めたり、鉄の吸収を良くしたりする働きもあります。

ビタミンCが不足するとどうなるか?

ビタミンCが不足すると、主に以下の症状が発生するとされています。

・壊血病
・皮下出血
・骨形成不全
・貧血
・倦怠感、疲労感
・食欲不振

ビタミンCが不足すると、寒さや細菌に対する抵抗力が下がって風邪にかかりやすくなったり、骨の発育が不十分になったりするなどの症状が分かっています。

特に、ビタミンCが不足することで恐れられているのが壊血病です。

壊血病とは?
壊血病は、コラーゲンが作られないために細胞と細胞の間の結合組織がゆるくなってしまうことで起きる病気です。
血管や関節が弱くなり、体の各所で出血が起きたり関節が痛くなったりします。
他にも下半身の痛みやむくみ、貧血などを引き起こします。
壊血病は1~3か月に渡ってビタミンC摂取量が10mg以下になると起きやすくなるため、一日10mg以上は摂取するようにしましょう。
一度壊血病になってしまった場合、治療には100~200mg以上のビタミンCを投与します。

また、ビタミンC不足は主に以下の人に多く見られます。

①アルコール依存者
②新鮮な野菜や果物の摂取が極端に少ない人
③喫煙
④薬物依存者

上記に該当する人は、より多くのビタミンCを摂取するように心がけましょう。

ビタミンCの過剰摂取による影響は?

ビタミンCは水溶性ビタミンのため、過剰に摂取しても消化管からの吸収率が自動的に低下し、必要なくなった分は尿として体外に排出されるため、一般的に過剰摂取による人体への影響はありません。
しかし、薬やサプリメントなどを摂りすぎると吐き気や下痢など胃腸への影響が報告されています。
また1日に1000mg以上のビタミンCの摂取はあまり意味がないとの報告もありますので、沢山摂取すれば良いというワケでもありません。

ビタミンCの摂取目安量

「日本人の食事摂取基準2020年版」では、以下の量が推奨されています。

年齢 男性 女性
1~2歳 40mg 40mg
3~5歳 50mg 50mg
6~7歳 60mg 60mg
8~9歳 70mg 70mg
10~11歳 85mg 85mg
12~14歳 100mg 100mg
15~17歳 100mg 100mg
18~29歳 100mg 100mg
30~49歳 100mg 100mg
50~64歳 100mg 100mg
65~74歳 100mg 100mg
74歳以上 100mg 100mg

▲1日当たりのビタミンCの摂取推奨量

人は体内でビタミンCを生成できないため、食品からしっかりと摂取する必要があります。
また、一般的な食事では過剰摂取の心配はないため、耐容上限量は定められていません。
サプリメントなどから摂取することも簡単ですが、一定以上のビタミンCを摂取すると体外へ排出されるため、実質的には1,000mg以上の量を摂取することは出来ないとされます。

また風邪やインフルエンザなどの感染症にかかっている際はビタミンCの必要量も増加しますので、その時に応じて摂取量を調整していきましょう。

ビタミンCが多く含まれる食品

ビタミンCが多く含まれる食品を以下にまとめてみました。

食品名 ビタミンC含有量(一人前当たり)
赤ピーマン(炒め) 108mg/60g
黄ピーマン(炒め) 96mg/60g
70mg/100g
キウイ 69mg/100g
さつまいも 58mg/200g
いちご 50mg/80g
青ピーマン 47mg/60g
菜の花 44mg/80g
ぽんかん 40mg/100g
オレンジ 39mg/65g

ビタミンCは表の通り、新鮮な野菜や果実に多く含まれています。
普段から積極的に野菜やフルーツを食べている人は不足する心配はないでしょう。
また野菜や果実を日常的に摂取出来ない人の場合は野菜ジュースやサプリメントからも豊富なビタミンCを摂取することが出来ますが、それらの摂取方法は通常の食事で摂取した場合よりも排泄までの時間が非常に短いことが分かっていますので、基本的には食事からビタミンCを摂取することが望まれます。

ビタミンCのオススメ調理法

ビタミンCが多く含まれている食品は野菜、果物、いもなどです。
ビタミンCは水溶性ビタミンのため水に溶けやすく熱に弱いため、出来るだけ新鮮な状態で生のまま食べることをオススメします。
調理する際は、洗いすぎたり、茹ですぎたりしないようにしましょう

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