ビタミンB12(コバラミン)の働きや効果、摂取目安量

健康を科学する

栄養素には大きく分けてエネルギーになるものとならないものが存在します。
エネルギーになる栄養素と言えばタンパク質、脂質、炭水化物でしょう。
これらの栄養素は身体の活動に欠かせないもので、タンパク質は筋肉をつくり、脂質や炭水化物は重要なエネルギー源となります。

そして、エネルギーにならない栄養素がビタミン・ミネラルです。
これらは直接筋肉になったりエネルギーとして使われたりすることはありませんが、人が健全に成長し、健康的に生活する上で必要不可欠な存在となります。
つまり、ビタミンは他の栄養素がうまく働くために機械の潤滑油のように働いているのです。
ビタミンの必要摂取量はとても少ないのですが、意識して摂らないと不足しやすい栄養素でもあります。
またビタミンは体の中でほとんどつくることができないため、しっかり食べ物から摂らなければなりません。

そこで今回は、ビタミンB12(コバラミン)の効果やどれくらい摂取すればいいか、また多く含まれている食品をご紹介していきます。

ビタミンB12(コバラミン)について

ビタミンB12の基礎知識

ビタミンB12はビタミンB群の一種で、水に溶けやすい性質を持つ水溶性ビタミンです。

ビタミンには水に溶ける水溶性ビタミンと油脂に溶ける脂溶性ビタミンがあり、ビタミンB12は水溶性ビタミンに該当します。水溶性ビタミンは尿などから体の外へ排出されやすく、体内に長時間とどめておくことが出来ないため、頻繁に摂取する必要があります。

ビタミンB12はコバラミンとも呼ばれ、コバルトを含むビタミンの総称になります。
コバルトにはアデノシルコバラミン、メチルコバラミン、ヒドロキシコバラミン、シアノコバラミンがあり、化合物となってビタミンB12を形成しています。

元々は牛の肝臓で発見されたビタミンで、植物性の食品にはほとんど含まれていません。
食品中でビタミンB12はタンパク質と結合しており、胃の中でタンパク質が分解するとビタミンB12は遊離します。

ビタミン12はアミノ酸や脂質などが代謝する際の補酵素として活躍したり、葉酸と共に働いて赤血球の生成に関与します。
その他に水やアルコールに溶けやすく、また光が当たると分解されやすい性質があります。

ビタミンB12の効果・働き

ビタミンB12の主な効果として以下が挙げられます。

・葉酸と一緒に赤血球中のヘモグロビン生成を助ける
・アミノ酸、脂肪酸などの代謝の補酵素
・核酸の生合成
・神経系を正常に保つ

食品中のビタミンB12はタンパク質と結合しています。
胃に入ると胃酸やペプシンの働きによりタンパク質から離れ、遊離状態となります。
そして胃の細胞からの分泌物によってビタミンB12は複合体となり、腸管を通って回腸で吸収されます。
そこで吸収されたビタミンB12は、血中のトランスコバラミンと結合し、肝臓や器官へと運ばれます。

主な働きとして、ビタミンB12は葉酸と協力して赤血球中のヘモグロビンを生成する役割があります。
他にも神経や血液細胞を健康に保ったり、DNAの生成を助けるはたらきもありますので、非常に重要な栄養素となります。

ビタミンB12が不足するとどうなるか?

ビタミンB12が不足すると、主に以下の症状が発生するとされています。

・悪性の貧血
・末梢神経障害
・巨赤芽球性貧血
・しびれ
・知覚異常

ビタミンB12は腸内の細菌によっても生成されるため、普通の食生活を送っていれば不足することはあまりありません。
しかし、胃の全摘手術をした人はビタミンB12不足が懸念されます(ビタミンB12は胃から分泌される内因子と結合して小腸から吸収される性質のため、胃を全摘出すると内因子不足によりビタミンB12が正常に吸収されないため)。

また、ビタミンB12は造血に深く関わっているため、不足すると赤血球が減ったり、以上に大きな赤血球が出来てしまう悪性の貧血が起きます(巨赤芽球性貧血)。

その他にも、ビタミンB12は動物性食品に多く含まれ、植物性食品にはほとんど含まれないため、動物性食品をあまり食べない人や野菜ばかり食べている人は不足する傾向にありますので、注意が必要です。

高齢者は食品に含まれるビタミンB12を吸収するための胃酸が十分に分泌されないため、50歳以上の人は栄養強化食品やサプリメントから摂取することが望まれます。

また妊娠中の女性が動物性食品を摂取しなくなると、赤ちゃんもビタミンB12が不足する傾向にあります。
乳幼児のビタミンB12欠乏症の特徴として、発育障害、運動障害、成長の遅延、巨赤芽球性貧血などが挙げられます。

葉酸とビタミンB12
葉酸を多く摂取すると、ビタミンB12欠乏症の大きな特徴である巨赤芽球性貧血が改善されるため、ビタミンB12欠乏症であることが認識しづらくなります。
一方、葉酸にはビタミンB12欠乏症による神経系への障害を治す効果はありません。
葉酸の摂取量を適量に抑え、ビタミンB12も併せて積極的に摂取することで両方の不足を改善することが出来ます。

ビタミンB12の過剰摂取による影響は?

ビタミンB12は胃から分泌される内因子によって上手く調整されているため、過剰に摂取しても必要以上には吸収されません。
そのため、ビタミンB12の過剰摂取による影響はほとんどありません。

ビタミンB12の摂取目安量

「日本人の食事摂取基準2020年版」では、以下の量が推奨されています。

年齢 男性 女性
1~2歳 0.9μg 0.9μg
3~5歳 1.1μg 1.1μg
6~7歳 1.3μg 1.3μg
8~9歳 1.6μg 1.6μg
10~11歳 1.9μg 1.9μg
12~14歳 2.4μg 2.4μg
15~17歳 2.4μg 2.4μg
18~29歳 2.4μg 2.4μg
30~49歳 2.4μg 2.4μg
50~64歳 2.4μg 2.4μg
65~74歳 2.4μg 2.4μg
74歳以上 2.4μg 2.4μg

▲1日当たりのビタミンB12の摂取推奨量

ビタミンB12は別名「赤いビタミン」とも呼ばれ、赤血球を正常に生み出すために大切な役割を担っています。
葉酸とともに働くため、不足すると悪性貧血(巨赤芽球性貧血)の原因になったり、神経系に障害を及ぼします。
一般的な食生活を送っている人であれば不足することはほとんどありませんが、胃の全摘出をした人などは不足する傾向にあるため、上記の推奨量をしっかりと摂取し、不足しないように食生活を見直す必要があるでしょう。

ビタミンB12が多く含まれる食品

ビタミンB12が多く含まれる食品を以下にまとめてみました。

食品名 ビタミンB12含有量(一人前当たり)
牡蠣(かき) 28.1μg/4~5個
あさり 18.3μg/殻付き1/2カップ
さば 12.9μg/1切れ
ほたて 11.4μg/1人前
ほっけ 10.7μg/1/2尾
しじみ 10.3μg/殻付き20個
あじ 5μg/1尾
焼きのり 1.7μg/1枚

上記の表を見て分かる通り、ビタミンB12は動物性食品に多く含まれ、植物性食品にはほとんど含まれていません。(焼きのりには辛うじて含まれる)。
そのため、ベジタリアンの人はビタミンB12が不足して悪性貧血になりやすくなるため、動物性食品多く摂ることが求められます。

動物性食品の中でも特に魚介類や貝類、肉類(特にレバー)に多く含まれます。
卵やチーズにも含まれています。
一方、前述した通り野菜や果物、キノコ類、穀類などの植物性食品には含まれません。

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