ビタミンB1(チアミン)の働きや効果、摂取目安量

健康を科学する

栄養素には大きく分けてエネルギーになるものとならないものが存在します。
エネルギーになる栄養素と言えばタンパク質、脂質、炭水化物でしょう。
これらの栄養素は身体の活動に欠かせないもので、タンパク質は筋肉をつくり、脂質や炭水化物は重要なエネルギー源となります。

そして、エネルギーにならない栄養素がビタミン・ミネラルです。
これらは直接筋肉になったりエネルギーとして使われたりすることはありませんが、人が健全に成長し、健康的に生活する上で必要不可欠な存在となります。
つまり、ビタミンは他の栄養素がうまく働くために機械の潤滑油のように働いているのです。
ビタミンの必要摂取量はとても少ないのですが、意識して摂らないと不足しやすい栄養素でもあります。
またビタミンは体の中でほとんどつくることができないため、しっかり食べ物から摂らなければなりません。

そこで今回は、ビタミンB1の効果やどれくらい摂取すればいいか、また多く含まれている食品をご紹介していきます。

ビタミンB1(チアミン)について

ビタミンB1の基礎知識

ビタミンB1は、水に溶けやすい性質を持つ水溶性ビタミンです。

ビタミンには水に溶ける水溶性ビタミンと油脂に溶ける脂溶性ビタミンがあり、ビタミンB1は水溶性ビタミンに該当します。水溶性ビタミンは尿などから体の外へ排出されやすく、体内に長時間とどめておくことが出来ないため、頻繁に摂取する必要があります。

ビタミンB1はビタミンの中で最初に発見されたものです。

かつての日本では、玄米が重要なビタミンB1の摂取源でした。
しかしその後、日本人はぬかを取り除いた精白米を食べるようになり、脚気にかかる人が多くなっていきました。
米のぬか胚芽部分には豊富なビタミンB1が含まれていたのですが、精米によって取り除かれてしまったのです。
現代においても油断は出来ず、インスタント食品などを良く食べる人はビタミンB1が不足して脚気になりやすいとされています。

ビタミンB1は科学的には「チアミン」と呼ばれ、、ブドウ糖をエネルギーに変換する際に必要な栄養素となります。
またビタミンB1には、チアミンにリン酸が一つ結合したチアミンモノリン酸(TMP)、二つ結合したチアミンジリン酸(TDP)、三つ結合したチアミントリリン酸(TTP)があります。

ビタミンB1の効果・働き

ビタミンB1の主な効果として以下が挙げられます。

・糖質からエネルギーを産生する
・皮膚や粘膜の健康維持の補助
・脳神経系を正常に機能させる
上記の中で特に重要となるのが「糖質からエネルギーを産生する」点です。
エネルギー代謝の過程において、ブドウ糖がピルビン酸になるまでを解糖系といいます。
解糖系では酸素を使わずにエネルギーを作っていきます。
ピルビン酸はそこからアセチルCoAになり、TCAサイクル(クエン酸回路)に入って酸素を消費して代謝されていき、最終的には二酸化炭素と水になります。
ビタミンB1は、ピルビン酸からアセチルCoAに変わる際に特に必要となるのです。

ビタミンB1が不足するとどうなるか?

ビタミンB1が不足すると、主に以下の症状が出ることが考えられます。

・疲労の蓄積
・食欲不振、疲労、だるさ
・脳や神経の障害
・肝臓や腎臓の機能の低下

ビタミンB1は糖質からエネルギーを代謝する際に重要な役割を担っているため、不足するとブドウ糖から十分にエネルギーを産生できなくなります。
ビタミンB1がないといくら糖質を摂取したところでエネルギーに変換することが出来ないため、乳酸などの疲労物質が溜まり、食欲不振、疲労、だるさなどの症状が引き起こされます。

また脳もブドウ糖をエネルギー源としており、ビタミンB1の摂取量が足りないと脳で使われるエネルギーが不足して脳や神経に障害を起こします。
すると精神が不安定になり、イライラしたり集中力が失われたりといった症状があらわれます。
さらに重症になると脚気やウェルニッケ・コルサコフ症候群(中枢神経が侵される障害)になる危険性もあり、最悪の場合は死亡することもあるのです。

過剰摂取の副作用

ビタミンAなどの脂溶性ビタミンは過剰に摂取すると体内に溜まり、思いがけない副作用が生じることがあります。
しかしビタミンB1は水溶性のため、余分に摂取した分は尿と一緒に排出されるので過剰摂取による副作用の心配はありません
通常の食事において摂りすぎて副作用が生じるということはほとんどないでしょう。

ただし、サプリメントなどを多く摂取している人は要注意です。
1日10g程度の量を20日間にわたり摂取を続けてしまうと、頭痛、いらだち、かゆみなどの皮ふ症状が見られることがあります。
あくまでも食事を中心とした摂取を心掛けていきましょう。

ビタミンB1の摂取目安量

「日本人の食事摂取基準2020年版」では、以下の量が推奨されています。

年齢 男性 女性
1~2歳 0.5mg 0.5mg
3~5歳 0.7mg 0.7mg
6~7歳 0.8mg 0.8mg
8~9歳 1.0mg 0.9mg
10~11歳 1.2mg 1.1mg
12~14歳 1.4mg 1.3mg
15~17歳 1.5mg 1.2mg
18~29歳 1.4mg 1.1mg
30~49歳 1.4mg 1.1mg
50~64歳 1.3mg 1.1mg
65~74歳 1.3mg 1.1mg
74歳以上 1.2mg 0.9mg

▲1日当たりのビタミンB1の摂取推奨量

ビタミンB1はエネルギー代謝のカギとも言われる存在で、特に激しい運動をする人はエネルギーを大量に消費するため、体内で不足しやすくなります。
そのため、各自の運動量に応じた量を摂取する必要があります。
ビタミンB1不足による身体へのリスクは大きく、脚気になることもありますので、十分な量を確保するようにしましょう。

またビタミンB1は、過剰に摂取しても余分なものは尿として体外に排泄され、体内に蓄積しにくいため、耐容上限量はありません。

ビタミンB1が多く含まれる食品

ビタミンB1が多く含まれる食品を以下にまとめてみました。

食品名 ビタミンB1含有量(1人前当たり)
豚ヒレ 1.32mg/100g
豚もも 0.96mg/100g
そば(乾) 0.37mg/100g
真鯛 0.32mg/100g
玄米 0.19mg/120g
枝豆 0.16mg/50g
カツオ 0.13mg/100g
まぐろ(赤身) 0.10mg/100g
豆腐(絹ごし) 0.10mg/100g

ビタミンB1は肉類に多く、特に豚肉に豊富に含まれている傾向があります。
また、酵母、豆類などにも多く含まれています。
穀類は精白米にするとぬかが取り除かれてしまうため、ビタミンB1の含有量がとても少なくなってしまいます。
精白されていない米や、玄米などを使って麦ごはんにするのもオススメです。

ビタミンB1のオススメ調理法

ビタミンB1は水溶性のため、洗いすぎると損失してしまいます。
そのため、調理方法を考慮すると良いでしょう。

茹でる
煮る
炒める
揚げる

参考元:https://alinamin.jp/tired/kotsu/taisyo5.html

「茹でる」「煮る」調理法よりも、「炒める」「揚げる」という調理法の方がビタミンB1を多く残すことが出来るようです。

また、米を研ぐ際は洗い過ぎないように、程よく終わらせる方がビタミンB1の消失量を抑えることが出来ます。

以上の点に注意していけば、なるべく多くのビタミンB1を摂取することが出来るようになるでしょう。

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