ビタミンAの働きや効果、摂取目安量

健康を科学する

栄養素には大きく分けてエネルギーになるものとならないものが存在します。
エネルギーになる栄養素と言えばタンパク質、脂質、炭水化物でしょう。
これらの栄養素は身体の活動に欠かせないもので、タンパク質は筋肉をつくり、脂質や炭水化物は重要なエネルギー源となります。

そして、エネルギーにならない栄養素がビタミン・ミネラルです。
これらは直接筋肉になったりエネルギーとして使われたりすることはありませんが、人が健全に成長し、健康的に生活する上で必要不可欠な存在となります。
つまり、
ビタミンは他の栄養素がうまく働くために機械の潤滑油のように働いているのです。
ビタミンの必要摂取量はとても少ないのですが、意識して摂らないと不足しやすい栄養素でもあります。
またビタミンは体の中でほとんどつくることができないため、しっかり食べ物から摂らなければなりません。

そこで今回は、ビタミンAの効果やどれくらい摂取すればいいか、また多く含まれている食品をご紹介していきます。

ビタミンAについて

ビタミンAの基礎知識

ビタミンAは、油に溶けやすい性質を持つ脂溶性ビタミンです。

ビタミンには水に溶ける水溶性ビタミンと油脂に溶ける脂溶性ビタミンがあり、ビタミンAは脂溶性ビタミンに該当します。脂溶性ビタミンは体の中に蓄積されやすいため、油と一緒に摂取することで吸収が良くなります。

昔の日本は植物性食品を中心とした食文化だったため、ビタミンAが欠乏する傾向にありました。
しかし海外の食生活が国内でも多く食べられるようになった現在においては、動物性の食品を食べる機会が増えたことにより、ビタミンAが不足することはほとんどなくなりました。

ビタミンAは体内で脂肪とともに小腸から吸収され、肝臓に蓄えられます。
肝臓以外にも、血液によって心臓や肺、腎臓などの各組織に運ばれていきます。

ビタミンAは体内において、3つの活性型「レチノール・レチナール・レチノイン酸」として存在しています。

ビタミンAの効果・働き

ビタミンAの主な効果として以下が挙げられます。

・発育の促進
・肌の健康維持
・視覚の暗順応(暗いところでも目が慣れて見えるようになる)
・のどや鼻などの粘膜に働いて細菌から体を守る
上記の通り、ビタミンAは目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、暗い場所で視力を維持する効果があります。
これは視細胞での光刺激反応に関与するロドプシンという物質の合成にビタミンAが必要なためであり、これにより薄暗いところで視力を保つことが出来るようになります。

レチノール活性当量とは

食品の中に含まれるビタミンAの量は、レチノール活性当量(μgRAE)として表されます。
これは動物性食品に含まれるレチノールの量と、植物性食品から摂取されるβカロテンなどのカロテノイドが体内でビタミンA作用をする場合の換算量を合計した数値となります。

ビタミンA(レチノール活性当量)は以下の式で計算されます。

レチノール活性当量(μgRAE)=レチノール(μg)+1/12×β-カロテン(μg)+1/24×α-カロテン(μg)+1/24×β-クリプトキサンチン(μg)+1/24×その他のプロビタミンAカロテノイド(μg)

ビタミンAが不足するとどうなるか?

ビタミンAが不足すると「とり目」という欠乏症が起きる可能性があります。

とり目とは暗い所で目が見えなくなる現象で、ビタミンAが満ち足りている現在の日本人にはあまり見られない症状ですが、発展途上の国においてはこどもたちに良く見られます。

その他の症状として、皮膚や粘膜が弱くなってウイルスに対抗するための免疫力が低下します。
それにより様々な感染症に冒される危険性が高まりますので、十分に摂取する必要があるでしょう。

過剰摂取の副作用

しかし、現実的には不足よりも過剰摂取の方が割合的に多くなっています。

ビタミンAを過剰摂取した際の影響として、肝臓の障害があります。
他にも特徴的な頭痛が起きたり、
脳脊髄液圧の上昇、口唇炎、脱毛症、食欲不振、筋肉痛などの症状が見られます。
普段の食事ではほとんど過剰摂取にはなりませんが、他にビタミンのサプリを摂取する際は、摂る量に十分注意しましょう。
特に妊娠女性が過剰摂取してしまうと、胎児への悪影響が報告されている研究例もありますので、十分注意するようにして下さい。

ビタミンAの摂取目安量

「日本人の食事摂取基準2020年版」では、以下の量が推奨されています。
推奨量は1日当たりのレチノール活性当量で示されています。

年齢 男性 女性
1~2歳 400μgRAE 350μgRAE
3~5歳 450μgRAE 500μgRAE
6~7歳 400μgRAE 400μgRAE
8~9歳 500μgRAE 500μgRAE
10~11歳 600μgRAE 600μgRAE
12~14歳 800μgRAE 700μgRAE
15~17歳 900μgRAE 650μgRAE
18~29歳 850μgRAE 650μgRAE
30~49歳 900μgRAE 700μgRAE
50~64歳 900μgRAE 700μgRAE
65~74歳 850μgRAE 700μgRAE
74歳以上 800μgRAE 650μgRAE

▲1日当たりのビタミンAの摂取推奨量

また、健康障害をもたらすリスクがないとする摂取量の上限量として「耐容上限量」というものがあり、これは体内に蓄積されるビタミンAの過剰摂取を考慮するために定められています。
ビタミンAにおける1日の耐容上限量は以下の通りです。

年齢 男性 女性
1~2歳 600μgRAE 600μgRAE
3~5歳 700μgRAE 850μgRAE
6~7歳 950μgRAE 1200μgRAE
8~9歳 1200μgRAE 1500μgRAE
10~11歳 1500μgRAE 1900μgRAE
12~14歳 2100μgRAE 2500μgRAE
15~17歳 2500μgRAE 2800μgRAE
18~29歳 2700μgRAE 2700μgRAE
30~49歳 2700μgRAE 2700μgRAE
50~64歳 2700μgRAE 2700μgRAE
65~74歳 2700μgRAE 2700μgRAE
74歳以上 2700μgRAE 2700μgRAE

1日当たりのビタミンAの耐容上限量

上記の数値を越えた量を摂取した場合、過剰摂取によって健康への被害が生じるリスクが高まります。
摂取する際は十分に注意しましょう。

ビタミンAが多く含まれる食品

ビタミンAが多く含まれる食品を以下にまとめてみました。

食品名 ビタミンA含有量(1食当たり)
鶏レバー 5600ugRAE/40g
うなぎの蒲焼き 1200ugRAE/80g
ぎんだら 1050ugRAE/70g
モロヘイヤ(生) 504ugRAE/60g
ほたるいか 450ugRAE/30g
牛レバー 440ugRAE/40g
ほうれん草(ゆで) 360ugRAE/80g
カボチャ(ゆで) 330ugRAE/100g
小松菜(ゆで) 208ugRAE/80g
にら(ゆで) 185ugRAE/50g

また国民健康・栄養調査結果によると、日本人は1日で摂るビタミンAの割合は緑黄色野菜が一番多く、4割余りを占めています。
私たち日本人にとって緑黄色野菜は、ビタミンAを補給する上で最も重要な役割を担っているのです。

緑黄色野菜とは?

厚生労働省は「可食部100g当たりカロテン含量が600µg(マイクログラム)以上の野菜」が緑黄色野菜の基準としています。主な緑黄色野菜は以下の通りです。●あさつき   ●いんげん  ●オクラ   ●かぼちゃ  ●クレソン
●ケール    ●小松菜   ●サラダ菜  ●しそ    ●春菊
●セリ     ●貝割れ大根 ●チンゲン菜 ●とうがらし ●トマト
●ニラ     ●にんじん  ●バジル   ●パセリ   ●ピーマン
●ブロッコリー ●ほうれん草 ●三つ葉   ●芽キャベツ ●モロヘイヤ
●わけぎ★緑黄色野菜の見分け方★
一般的には「色の濃い野菜」が緑黄色野菜に該当すると思われがちですが、なす等該当しない場合もあります。簡単に見分ける方法として、「切った時に中身まで色がついているのが緑黄色野菜、ついていないのがそれ以外の野菜」というものがあります。

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