クイックリフト講座② 【スナッチ】で全身の爆発力をGETせよ

筋トレを科学する

クイックリフトとは

クイックリフトはウエイトリフティング競技でも行われている動作をトレーニングに取り入れたものです。

クイックリフトは、大きく分けると以下の3つになります。

  クリーン  
  スナッチ  
  ジャーク  

▲クリックすると各種目の詳細ページにジャンプします

これらはスポーツ動作に不可欠な瞬発力や爆発的パワーを向上させることが出来ますので、アスリートをはじめ、競技スポーツを行っている方にはぜひトレーニングに取り入れて頂きたい種目です。

クイックリフトの具体的な効果については以下の記事に詳しく書いていますのでご覧ください。

まずはじめにこちらの記事をご覧ください▼

競技パフォーマンス向上に不可欠!クイックリフトを徹底解剖
筋トレには筋肉を強くしたり、大きくしたりする効果があります。 ベンチプレスやアームカール等のフリーウエイト、そしてマシントレーニング等が代表的な例でしょう。 フィットネスブームが到来した現在、各地のジムで良く見るトレーニングのほとんどが...

 

スナッチとは

▲三宅選手のスナッチ

スナッチは床に置かれたバーベルを一気に頭上まで持ち上げるクイックリフト種目です。
ウェイトリフティングの代表的な種目で、五輪メダリストの三宅選手を思い浮かべる方も多いと思います。

一般的に行われている「クリーン」と比べると技術習得が難しい面はありますが、効果は高いです。

また、
「クリーンは出来るけどスナッチは出来ない」
という人はいるかもしれませんが、
「スナッチは出来るけどクリーンは出来ない」
という人はあまりいないと思います。

つまり、スナッチが出来ればクイックリフトを制したようなものです

この記事では、スナッチのやり方や注意点等をご紹介していきます。

▼クリーンの記事についてはコチラ

クイックリフト講座① 最強のアスリート種目【クリーン】を攻略せよ
クイックリフトとは クイックリフトはウエイトリフティング競技でも行われている動作をトレーニングに取り入れたものです。 クイックリフトは、大きく分けると以下の3つになります。   クリーン     スナッチ     ジャーク   ...

スナッチで鍛えられる筋肉

スナッチの動作は非常に複雑です。

その動作に伴って全身の筋肉・関節が動員されますので、関与する筋肉は【全身】と言えるでしょう。
その中でも特に以下の筋肉が働きます。

下腿三頭筋
大腿四頭筋
殿筋群
ハムストリング
脊柱起立筋
僧帽筋
三角筋
前腕筋群
上腕三頭筋
腹筋周り

このようにスナッチは全身の筋肉が関与するため、この種目に取り組むだけで全身を効率よく鍛えることが出来ます。

確かに上記の筋肉を鍛えることは出来ますが、通常の筋トレのような筋肥大の効果はあまり望めません。
これはスナッチの種目の特質上、仕方のないことです。

特定の部位をストリクトに追い込むトレーニングとは切り離して考えることが必要です。

 

スナッチを行う目的

冒頭でも触れたように、スナッチでは全身の筋肉を爆発的に動員して動作を行います。

バーベルを持ち上げる際に「爆発的挙上」により瞬発的に動作するため、結果的に全身の瞬発力の向上が見込めます。

またスナッチでは複雑な動作によりバーベルを操作するため、ちゃんとしたフォームでスナッチが出来るようになる頃には体の使い方が上手になっています。

スナッチ動作を正確に動作することが出来れば「全身の連動性の向上」に繋がり、その結果各スポーツにおけるパフォーマンス能力をアップさせることが出来るようになります。

ただし、クリーンよりも動作の習得が難しい傾向にあります。
またクリーンよりも高い位置まで挙上するため、安全面においても十分に注意する必要があるでしょう。

ただクリーンがしっかりと出来るようになっていれば、スナッチの習得はそこまで難しくないでしょう。
クリーンで基礎が固まってきたら、ぜひスナッチにチャレンジしてみて下さい。

・スナッチは特定の筋肉を鍛えるというよりも全身の筋肉の連動性を高め、スポーツ競技におけるパフォーマンスアップを目的としている
・クリーンよりも高い位置まで挙上するため、比較的動作の習得が難しい傾向にある
・頭上までバーベルを挙上するため、安全面にも配慮が必要である

 

基本的なスナッチのやり方

では早速、スナッチのやり方について解説していきます。

スナッチは見ての通りとても複雑な動作をしますので、いくつかの局面に分けて解説していきます。
アームカールやカーフレイズ等の単関節運動とは違い、全身の関節を一気に動かしますので、全身に注意を傾ける必要があります。
基本を覚えるまでに相当な時間を要しますが、一つずつ根気よく続けていきましょう。

なお、ここでは以下の動画が非常に参考になりますので、この動画に沿って解説をしていきます。

動作前のセットアップ

まずはバーベルを挙げる前の姿勢を作っていきましょう。
この姿勢が取れていないと、その後の動作に大きな影響を及ぼします。

この姿勢はクイックリフト全般で非常に重要な局面となります。

・肩幅の2倍ほどの手幅でバーベルを握る
・足の幅は腰幅くらいにする。この時、バーは脛に当たっていることが望ましい
・腕は力を入れず、ただバーを握っている感じ
・背筋は伸ばし、目線は正面に向ける
・腰は高くならず、しっかり低い位置まで落とすこと
▲横から見た姿勢

【局面①】ファーストプル

ファーストプルとは、バーベルが地面から浮いて膝の前を通過し、股関節辺りまで挙がってくるフェーズのことです。

この局面では、セットアップで作った姿勢を崩さないことが一番のポイントになります。
ここで姿勢が崩れてしまっては、次の局面に移った際に正確な動作が不可能になります。

・セットアップで作った姿勢のように、視線は正面から離さない
・バーベルは絶対に体から離さないように、スネを擦るようにして垂直に挙げていく
・背筋は常に伸ばしておく

【局面②】セカンドプル

セカンドプルとは、股関節の高さまで挙がってきたバーベルを下半身全体の力を使って一気に上方に引き上げる動作です。

この局面では地面反力を上手に使ってジャンプし、バーベルを鉛直方向に跳ね上げます。

クリーンとは違い、頭上までバーベルを持ち上げる必要がありますので、より強いパワーが必要になります。

・バーベルが股関節の辺りまで挙がってきたら、地面を強く蹴ってジャンプしながら腰を前方に突き出す
・それと同時に、ちょうど股関節の位置にバーベルをぶつけ、バーを上方に跳ね上げる

【局面③】キャッチ

スナッチの最終局面はキャッチです。
ここでは、引き上げてきたバーベルを頭上でキャッチします。
イメージとしては、頭の真上というより後頭部の上でキャッチするイメージです。
キャッチにはクリーンと同様、手首や肩甲骨、股関節の柔軟性が非常に重要になってきます。
・バーベルが引き上げられている間に両ひざを軽く曲げ、姿勢を低くする(この時、少しだけ両足を外側に開くとしゃがみやすいです)
・バーの下に潜り込んだら、手首を返してバーを後頭部の上でキャッチする
・キャッチする際は膝のクッションを使って衝撃を和らげる
・肘を完全にロックしてバーベルを支える
・最後に膝を伸ばして直立状態になったら動作完了

動作のポイント・注意点

上の動画は、中国のウェイトリフティング選手のスナッチ動画です。
中国は言わずと知れたウェイトリフティングの超強豪国で、日本人の体形にも近いので非常に参考になるかと思います。
今回は、この動画を元に動作のポイントを解説していきます。

①スタート時の腰の高さはしっかり落とす

クリーンの記事でも説明しましたが、スタート時に腰が高いまま動作を始めると、バーが体から離れたまま引き上げられることになります。
それではパワーに大幅なロスが生まれ、非常にもったいないです。
スタート時は腰をしっかりと落とし、バーを身体になるべく近づけた状態で動作を開始しましょう。

②バーベルは体に近い位置で挙上する

上の画像の青い線はバーベルが動いた軌跡を表しています。
これを見ると分かるように、この選手はしっかりと体に近い位置でバーを挙げることが出来ています。
バーが体から少しでも離れてしまうと、パワーの出力に大幅なロスが生じ、バーベルに上手く力を伝えられなくなります。
以下の事を意識すると、バーが体から離れないで挙上出来るようになります。
・セットアップの際にしっかりと腰を落としているか
・セットアップの段階でバーがすねに付いているか
・セカンドプルの際にシュラッグ動作でバーを身体側に引きつけられているか

③バーは常に垂直に動かす

写真の青い線(バーベルの軌跡)を見て分かるように、床に置かれた状態からキャッチの瞬間まで、バーベルは地面と垂直に挙上されています。
この線が少しでも左右に傾いた場合、バーベルに効率よく力を伝えることが出来なくなります。

スナッチのバリエーション

スナッチには様々なバリエーションが存在します。
ここでは、トレーニング種目としてのスナッチのバリエーションをご紹介します。

ハングスナッチ

バーベルを床からではなく腰の前まで持ち上げた状態から始めるスタイルを「ハングスナッチ」といいます。
床から引き上げるスナッチよりも簡単なので、初心者はまずこのハングスナッチから始めることをオススメします。
ただし腕の力で持ち上げてしまいやすい種目でもあるので、しっかりと足による反動を使って挙げましょう。
▲ハングスナッチ

パワースナッチ(ハイスナッチ)

バーをキャッチする際に、深くしゃがみこむのではなく高い位置でキャッチするスナッチです。

深くしゃがみこんでキャッチするスナッチ(ロースナッチ)はかなりの技術を要するのに対し、このパワースナッチはある程度難易度は低いです。

ウエイトリフティングの選手でもない限り、このパワースナッチをお勧めします。

また、ロースナッチよりも高く挙げないとキャッチできませんので、より高い爆発力が求められます。

▲パワースナッチ

スナッチプル

このスナッチプルは、キャッチの動作を取り除いたスナッチになります。
地面からバーを引き上げ、セカンドプルの動作を爆発的に行ったらそこで終了です。
頭上でキャッチする際に手首や肘、肩が痛くなる方はこのスナッチプルをやってみて下さい。
またこのスナッチプルは通常のスナッチよりも高重量を扱えるため、スナッチのMAXを伸ばしたい方は一定期間このスナッチプルを行うことをオススメします。
▲スナッチプル

重量・回数・セット数の決め方

重量

正確な動作が身に付くまでは、バーだけで行うと良いでしょう
徐々に慣れてきたら重量を上げていきます。
目安としてはMAXの80%以上の重量を選択しましょう。
軽すぎても全身のモーターユニットを動員できず、また腕で挙げてしまいがちになります。
80%以上の重量で、1レップずつ爆発的に動作しましょう。

回数

5レップ以上はオススメしません。
そもそも5レップ以上を簡単に扱える重量は軽すぎますし、クイックリフトの性質上、高回数をやる意味がないからです。
クイックリフトは全身のモーターユニットを動員し爆発的な動作を行うことが目的です。
重量が軽いとモーターユニットが上手く動員されません。
また高回数を行うと、筋出力よりも肺活量がキツくなり、本来の目的から外れてしまいます。
5レップ以内で、全速力でバーベルを動かすことが重要です

セット数

セット数に関しては3~5セットで良いでしょう。
あまりセットが多すぎても、疲労した状態で行うクイックリフトは出力が低下するため効果が薄いです。
バーベルを挙げるスピードが落ちてきたらそこでセットを終了して良いでしょう。

終わりに

以上がスナッチの説明となります。

スナッチはクリーンよりも難易度が高く、クリーンほど高重量は扱えません。
しかし、動作が大きいため身体をよりフル活用するため競技スポーツには非常に効果的です。

クリーンと合わせてバリエーションを増やしながら、競技パフォーマンスの向上に繋げていきましょう。

コメント

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